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2026/09/11 07:00

ここまで考えてきて、最初に思っていた

「ロボットが働けば、みんなラクになる」

という未来は、たぶん半分は正しい。
人手不足はかなり解消されるかもしれない。

もちろん、これは今問題になっている電力や半導体、
バッテリー、モーターなどの供給制約がある程度クリアになった、その先の話です。

AIやロボットを大量に動かすには、結局かなりの電力と物理資源が必要になる。
逆に言えば、AIやロボットの未来を考えるとき、ソフトウェアの進化だけではなく、
「安く大量に使えるエネルギーをどう確保するか」もかなり重要になるんだと思います。

そうした条件まで整えば、物流も介護も農業も、今とは比べものにならないくらい少ない人数で、
多くの商品やサービスを提供できるようになるかもしれない。
ここまでは明るい話です。

で考えれば考えるほど、最後にひとつだけ残る問題があります。

そのAIとロボット、誰のものなんだ?

という話。

たとえば、将来ロボット100台で100人分の仕事ができるようになったとします。
その100台を自分の会社が持っていたら、かなり強い。

少ない人数で大量に作れる。
もちろんロボットにも購入費、電力、保守費、更新費はかかります。
それでも、人間の人件費とは違って設備として資産化し、減価償却することもできる。

条件が合えば、人件費を抑えながら生産量を維持したり、増やしたりできる可能性があります。
じゃあ、ロボットを持っていない人はどうなるのか。

今までは、自分の体と時間を会社に提供すれば給料がもらえました。
多くの人にとって「働くこと」が、お金を受け取る方法だった。

でも、AIやロボットが人間の仕事の代わりにやるようになると、このルールが少しずつ変わっていく。

人間が働く量が減っても、商品やサービスは生産される。
企業側では、人件費が減って利益が増える可能性もある。

では、その利益は誰に入るのか。

ロボットを所有している会社。
ロボットを製造している会社。
AIを持っている会社。
その会社の株を持っている人。
土地や設備を持っている人。

つまり、もっと大きく言えば、
「働いて稼ぐ人」と「資本から稼ぐ人」の差が、今まで以上に大きくなる可能性があります。

だから、これからの格差って、「仕事ができる人と、できない人」ではなく、
「(AIやロボットのような生産する)資本を持っている側と、持っていない側」
の差になっていくのかもしれません。

これは、ちょっと怖い。


一方で、イーロン・マスクが言うように、
AIとロボットによってモノやサービスの生産コストが圧倒的に下がれば、
少なくとも生活するために、今ほど大量のお金を稼ぐ必要はなくなる可能性もあります。

人間に今と同じ給料を配るのではなく、
そもそも生活に必要なモノやサービスが、めちゃくちゃ安くなる。

もしそこまで行けば、「給料が減ったら買えない」という問題そのものが、今とは違う形になるかもしれない。
ただし、全部がタダ同然になるわけではないと思います。

土地や人気の場所、希少な資源、人間そのものの時間など、どうしても数に限りがあるものは残る。
だからこそ、結局また「誰が何を持っているのか」という話に戻ってくる。

未来が豊かになるかどうかは、
ロボットがどれだけ賢くなるかだけでは決まらない。
その生産力から生まれた利益や豊かさを、社会の中でどう分けるのか。
ここが一番大事なんだと思います。

今回、大学の先生に
「供給が増えても、需要が弱くなる可能性がある」
と言われた一言から、こんなところまで考えることになりました。

最初はただ、「ロボットが働いてくれたら最高やん」くらいに思っていましたが

もしそうなったら
働く→給料をもらう→そのお金で生活する。
この3つの関係が切り離されていくかもしれない。

もしかすると近年起こっている本当のインパクトは、
「仕事がなくなること」ではなく、
「仕事と所得の関係が変わること」なのかもしれません。

もしそうなったら、僕らが当たり前だと思っている

「働いて、お金を稼いで、生活する」

という経済ルールが変わる。

「やっぱがっつり働いて金儲けしたあとのビールはうめぇな」がなくなるのは悲しい気もします。


ちなみに、ここまで偉そうに書いていますが、

僕は今ポテチ片手に、キーボードをべとべとにしながらこれを書いている、ただのおっさんです。

経済学部出身ではありますが、大学で習ったことはほとんど覚えていません。


そんな僕でも、先生のひと言をきっかけに掘り下げていくと、AIの見え方が少し変わりました。

第5部まで、お付き合いいただきありがとうございました。



●【ロボットと経済の話④】イーロン・マスクは「値段が壊れる」と考えている。

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