BLOG
2026/09/10 07:00
ここまでの話で、ひとつ疑問が残りました。
AIやロボットが人間の代わりに働く。
商品はたくさん作れるようになる。
でも、人間の仕事が減れば給料も減る。
だったら、「その商品、誰が買うん?」という問題です。
ここで、イーロン・マスクが以前から言っている未来の話とつながりました。
マスクは、
「AIとロボットが十分に発達すれば、人間は生活のために働く必要がなくなる。
仕事は任意になり、最終的にはお金の意味も薄くなる」
という趣旨の話をしています。
最初に聞いたときは、「いやいや、さすがにそれは未来すぎるやろ」と思っていました。
でも今回、ロボットと経済について考えてから聞き直すと、
あ、そういう意味か。
と理解度が深まりました。
よく言われている
ロボットやAIが仕事を奪う
↓
仕事が減る
↓
給料が減る
↓
じゃあ国がベーシックインカムを配るのか?
みたいな話はよく聞きます。
でも、マスクの発想は少し違う。
「人間にたくさんお金を配る」ことではなく、
「そもそも、そんなにお金が必要ない世界にする」ことです。
たとえば今、僕たちが買っている商品の値段には、いろんな人の人件費が入っています。
家を建てる人。
車を作る人。
倉庫で管理する人。
トラックで運ぶ人。
販売する人。
事務処理する人。
デザインする人。
商品ひとつの後ろに、ものすごい数の人が働いている。
その人たちの給料が、当然商品の価格にも乗っています。
じゃあ、そこが全部変わったらどうなるのか。
事務仕事はAI。
製造はロボット。
倉庫も自動。
物流も自動運転。
さらに今問題になっている電力、半導体、バッテリー、モーターまで安く大量に供給できるようになったら。
商品のコストは、今とは比べものにならないくらい下がるかもしれない。
すると、
「仕事がなくなったら、給料が減って商品を買えない」
という疑問に対してマスクはたぶん、
「その頃には商品自体がめちゃくちゃ安くなってる」
と言っている。
これ、けっこう面白い。
今、月30万円必要な生活があるとします。
家賃。
食費。
移動。
服。
医療。
教育。
いろんなものにお金がかかる。
でもAIとロボットによって、それらのコストがものすごく下がって、
同じ生活が月5万円でできるようになったとしたら。
給料が今より少なくても、今と同じくらい豊かに暮らせる可能性がある。
つまり、
収入を増やすんじゃなくて、必要な支出を猛烈に減らす。
そう考えると、
「人間は働かなくてもよくなる」
「お金の意味が薄くなる」
というマスクの話も、単なるSFではなくなってくる。
ロボットが大量に働く。
商品が大量に作られる。
大量に作れるから安くなる。
安くなるから、生活のために今ほど働かなくてよくなる。
マスクが想像しているのは、
「みんながお金持ちになる未来」ではなく、
「お金をそんなに持っていなくても豊かに暮らせる未来」
なのかもしれません。
ただ、ここまで考えると、次の疑問が出てきます。
本当に全部が安くなるんだろうか。
そして、AIやロボットが生み出したその巨大な豊かさは、
最終的に誰のものになるんだろう。
最後の5部ではそこを考えてみます。

