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2026/08/31 09:00

スーパーのレジに並ぶと、なぜか隣の列のほうが早く進む。

「うわ、そっちに並べばよかったな」
そんなことありませんか?

あれって単なる運の悪さではないようです。

少し前に「待ち行列理論」という考え方を知りました。
人が並ぶ場所と、それを処理する窓口の関係を数学的に考えるものです。

スーパーのレジは、その仕組みがとても分かりやすく見える場所です。
たとえばレジが4台あって、それぞれに別の列ができているとします。

ある列では大量買いのお客さんがいる。
別の列ではクーポンの処理に時間がかかっている。
また別の列では、支払い方法で少し手間取っている。
一方で、隣のレジはどんどん進んでいく。

レジの数は同じなのに、列を分けたことで、

列ごとの処理スピードにばらつきがある。
という状態が起こります。

銀行や空港でよく見るように、列を一本にして、
空いた窓口から順番に案内すれば、この無駄はかなり減るそうです。

設備を増やしたわけでもない。
働く人を増やしたわけでもない。
ただ、流れを変えただけです。

これ、面白いと思いました。

効率化というと、どうしても

「もっと速くする」
「もっと詰め込む」
「もっとたくさん処理する」

という方向で考えがちですが
本当の効率化は少し違うのかもしれません。

高速道路の渋滞も、似たようなことを教えてくれます。
道路には、1時間あたりに流せる車の量に限界があります。
空いているときは、みんなスムーズに走れる。

でも、道路の容量ギリギリまで車が増えると、
たった一台がブレーキを踏んだだけで、その影響が後ろへ後ろへと伝わっていきます。

事故が起きていなくても、渋滞が生まれます。

たくさん詰め込めば、必ず効率が上がるわけではない。
むしろ、余白がなくなるほど、小さな乱れに弱くなる。

レジも同じです。

常にレジが100%フル稼働している状態では、
一人のお客さんの会計が少し長引いただけで、後ろの列は一気に伸びます。

高速道路も、レジも、

「処理能力を限界まで使うこと」と「流れが良いこと」は別の話
なのだと思います。

これは仕事にもそのまま当てはまりそうです。

社員の予定を100%埋める。
在庫を限界まで減らす。
納期をギリギリに設定する。
一人の担当者に仕事を集中させる。

一見すると、無駄がなく効率的に見えます。

でも実際には、誰かが体調を崩したり、急な予定変更が入ったり、
配送が一日遅れたりしただけで、全体が止まってしまう。

高速道路で一台がブレーキを踏んだときと同じです。

だから効率化というのは、

余白をなくすことではなく、流れを止めないこと

なのかもしれません。

人を増やす前に、列を一本にできないか。
設備を増やす前に、バラバラになっている仕事をまとめられないか。
予定を詰め込む前に、少し余白をつくれないか。

努力を増やす前に、流れそのものを変えられないか。

「忙しいのに、なぜか前に進まない」

そんなときは、能力が足りないのではなく、どこかで渋滞が起きているだけかもしれません。

スーパーのレジも、高速道路も、会社の仕事も。
効率を考えるときに見るべきなのは、

どれだけ詰め込めているかではなく、ちゃんとした流れを確保できているか。

最近は、そんなふうに考えるようになりました。