BLOG 【店長の自由帳】
2026/07/08 11:00
「働き方改革」という言葉を聞くたびに、少し気になることがあります。
本来は「工夫して短い時間で成果を出そう」という考え方のはずなのに、
ときどき「短い労働時間」がスマートのように聞こえることがあります。
もちろん、長時間労働を肯定したいわけではありません。
ただ、短時間で結果を出せる人って、最初からそうだったわけじゃないと思います。
野球のイチローさんがこんな言葉を残しています。
「無駄なことはできるだけした方がいい。でないと合理的になんてなれないですよ。」
この言葉、好きなんです。
合理的って、最初から近道を知っている人ではなく、一度遠回りした人がたどり着ける方法だと思います。
これとセットで覚えている、もう一つ好きな言葉があります。
サッカーの本田圭佑さんの
「量をこなしていない人間が質を語る権利なし。」
これも聞いた時、妙に納得しました。
「もっと効率よくできませんか?」
もちろん考えます。
でも、その効率って、実際に量をこなさないと見つけられないんですよね。
だから最近は、近道を探す前に、とりあえず一回やってみるようにしています。
会社でもたまに言われます。
社長がそんなことわざわざしなくていいですよ。
でも僕は単純なので一回やってみて、
実際にしんどい思いをして、
「これは二度とやらん。」
という失敗のデータを集めないと、
改善って見えてこないんですよね。
有名な話ですが、ある女性がパブロ・ピカソに
「私の絵を描いてください」
とお願いしたそうです。
ピカソは持ってた紙切れにチョチョイっと数分で描き上げ、
「100万ドルです」と答えた。
「数分で描いたこの絵が?」
そう驚かれたとき、ピカソは
「数分ではない。私の芸術家人生+数分だ。」
という言葉を返したと言われています。
この話の真偽はさておき、本質を突いている気がします。
野球選手と、サッカー選手と、画家。
まったく違う世界の一線を走った三人が、
同じことを違う角度から語っている。
速さって圧倒的な量の結果であり、
圧倒的な量の先にしか、本当の質は生まれない。
デザインも。
文章も。
商品づくりも。
「これは失敗やったな。」
「時間かけたの無駄やったな。」
そんな積み重ねがあるから、
二回目は半分の時間でできる。
つまり、一回目の無駄は、二回目の時短なんです。
だから僕は、圧倒的な量は未来の貯金だと思って大事にしています。
さあ、今日も、未来の近道を作るために、
遠回りを繰り返そうと思います。
「ありがとう、あの日の遠回り。」
と未来の自分が言ってるかもしれないですから。
・・・
いや、やっぱそんな変なことは言わない。
でも、少なくとも
「前はこれで半日かかってたよな。」
と笑える日は来ると思います。

