BLOG 【店長の自由帳】

2026/06/01 10:07

Chapdaddyブランドを立ち上げた時に一番時間かかったこと。

ロゴマークでした。

 

たぶんロゴって、顔というより骨格に近いんですよね。
あとから服装は変えられるけど、歩き方は変えにくい。

当然、気合いが入りました。

 

Chapdaddy(チャプダディ)という名前は決まった。

さあ、ここからどう骨格をつくるか。

最初にモチーフとして考えたのは“タツノオトシゴ”でした。

 

ご存知の方もいるかもしれませんが、タツノオトシゴって、オスが出産するそうです。

父親目線のブランドだし、題材としてありだなと。

 

資料を集めて、特徴を分解して、何案かラフを作りました。

でも途中で止まりました。

 

ちょっと待て。

別に父親が家族の中で特別な存在だと言いたいわけじゃない。

 


休日に子どもと公園行って、帰りにコンビニ寄って、たまにエプロン着て料理して、

ピクニック終わりにレジャーシート畳むのが下手なお父さん。

Chapdaddyはそのくらいのダディ感です。

 

このブランドを通して父親を美化したいわけじゃない。

ということで、全部ボツ。

 

そこから謎の動物探しが始まりました。

 

オオカミはかっこよすぎる。
ライオンは王感が強い。
犬は近すぎる。
猫は自由すぎる。
ゾウは鼻が長い。
キリンは首が長い。

パンダは中国

 

ええ。完全に独断です。

 

そんなふうに消去法を続けてたら、最後にクマが残りました。

 

クマって、不思議です。

強そうなのに、ちょっと抜けてる。

大きいのに、どこかかわいい。

家族でいると急に空気がやわらかく見える。

 

で、親子のクマを描き始める、最初は父、母、子どもの三匹。

でもこれも途中で違和感。

 

家族ブランド感が強すぎる。仲良しこよし家族を主張したいわけでもない。

 

そこで一匹消しました。父親です。

 

デザイン業界でよく「際立たせるために削ぎ落とす」って言葉があるんですが、

主人公の父親を消して主人公を際立たせるという、ちょっと意味不明なことをやりました。

 

そう、このロゴは母熊と子熊をシンボライズしたものなんです。

 

母熊と子熊を見つめている光景が父親目線という設定。

 

父親を消したことでゴールが見えてきたと思ったら、

ここからが長かった…。

 

背中の丸み。

鼻先の角度。

耳の位置。

首の厚み。

ほんの数ミリ変わるだけで、急に弱って見えたり、

威圧感が出すぎたり、優しすぎたりする。

 

調べてみると、クマはオスとメスで体の印象が少し違うらしい。

オスは肩が盛り上がって重心が前にあり、

メスは背中から腰にかけて少しなめらかで柔らかい印象があるそうです。

もちろんロゴマークなので生物学的造形を再現したいわけじゃない。

でもこのへんの理解は大事。伝わらなくても作る側は知っておきたい。

 

母熊の背中を少し丸くして、子熊はその曲線を少し受け継ぐ。

細かく線を何度も何度も書く。

ロゴマークって、こういう見えないディテールの積み重ねであります。

 

家族って自分が中心に立ってみんなを引っ張っていくことも素敵ですが、

次の物語の主人公を応援していくってのも父親っぽいなと思ってまして。

 

運動会でビデオ撮ってる人。

子供の自転車に空気いれておく人。

写真には写らないけど、毎回撮ってる人。

 

少し離れた場所で、全体が回るように動いてる人。

 

主役ではないけれど、その人がいるから成立している風景。

 

そんな立ち位置。

 

ちなみに、ここまで考えて作ったロゴですが。

 

娘の第一声は、「クマや!かわいい!」でした。

 

僕のデザイン理論3秒で回収。

 

でもそれでいい。

娘の「かわいい」が一番うれしい。



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